こんにちは!ゴマ夫(@gomaoshigotoya)です!
ジェレミー・シーゲルの「株式投資の未来」は多くの投資家に愛された良書です。
ゴマ夫も4年前に投資を始めようと思いシーゲル本を読みましたが、全く理解できませんでした。
正直この本は、ある程度投資歴を経てから読むとめちゃくちゃ理解できます。というか最初から理解するのはまず無理です。
ただ、このシーゲルに感銘を受けて参考にしている投資家や投資ブロガーがたくさんいるので、いずれ理解しておくことをオススメします。
今回は高配当株戦略に魅力を感じている方には必須の教科書と言える、シーゲル氏の「株式投資の未来」を理解したいけど難しくてよくわからない方向けにかみ砕いて要約を6つにまとめてお伝えします。
シーゲルが言いたい6つの事
この記事を書いているゴマ夫は結婚を機に将来のライフプランを考えた時にお金の問題と真剣に向き合いました。
子供2人と住宅ローンを抱えていたら月に1回の外食もできないかもしれない・・・
追い打ちをかけるように仕事のストレスでうつ病発症
そんな不安を吹き飛ばすべく、節約・資産運用・副収入について徹底的に勉強して行動しました。
ゴマ夫の行動
そんなゴマ夫が解説するジェレミー・シーゲル「株式投資の未来」の6つの要約スタートです!
目次
①配当再投資の効果はめちゃめちゃデカいんだよ!
シーゲル氏は一般的によく言われるように、S&P500のようなインデックスのパフォーマンスを上回る成績を収めるのは難しいと思っていました。
しかし、ふと本当にそうだろうか?と確かめてみたくてしょうがなくなります。
S&P500とはその名の通り「経済を主導する業界の主導的な起業」500社が採用されている1957年から設定された米国の株価指数です。
その性質上、毎年基準を満たさなくなった企業が入れ替えられるため2003年までに合計で917社採用されています。
シーゲル氏は1957~2003年までのS&P500構成した全917銘柄のパフォーマンスを徹底的に調べ上げるというとてつもなく手間のかかる作業をして、一つの解答を導いています。
1957年のS&P500の時価総額上位20社と2003年のS&P500の時価総額上位20社のパフォーマンスを比べたら前者の方が良かったということです。しかもリスクも低かった
これなら1957年以降に誕生した企業を組み入れない方が良かったという結論になってしまいます。
どうしてそんなことが起きたかというと
株式の長期的なリターンは
企業の増益率ではなく、実際の増益率と投資家の期待との差で決まるからです。
さあいきなり、難しくなってきましたね。
かみ砕いて説明しましょう。
1957年から存在していたエクソンモービル(当時はスタンダード・オイル・オブ・ニュージャージー)とそれ以降に誕生したIBMを比較してみましょう。
ご存知のとおりIBMといえばハイテク企業の雄であり、力強く利益を伸ばして世界経済を牽引した企業である。投資家の期待も大きかった。
一方スタンダード・オイルの増益率はIBMにはるかに及ばなかったため、投資家の期待も低かった。
この結果、スタンダード・オイルのリターンがIBMを上回ることになった。
つまり、投資家の期待が大きくなると株価が上昇することになります。すると配当利回りも低くなることになります。株を入手しづらくなる上に再投資する原資もさほど得られない状況です。
一方、投資家の期待が低い場合は株価が低く抑えられます。すると配当利回りは高くなります。株を入手しやすく、配当金再投資もしやすくなるため結果的に大きなリターンがえられるということです。
シーゲル氏はこの配当再投資を含めたリターンを各銘柄で研究し尽くした結果、このような結論に至りました。
普通は増益率の高いIBMなどを保有した方がトータルリターンが高いと思いがちなところを
- 実はそうじゃないんだよ!
- ハイテクの成長に騙されちゃだめだよ!
- 配当再投資の効果はめちゃめちゃデカいんだよ!
ってことを言っているんですね。
シーゲル氏はこれを「成長の罠」と呼んでいます。
※ここら辺のお話はP3~を参照
②高齢化を気にせずに株を始めなよ!
株式投資を行う上で、人口動態を予測する必要があります。
人口が多ければ多いほど消費も促されて経済が活発になりお金が巡りますので、結果的に株式で利益を得やすいですね。
そして、もう一点先進国の私たちが今から資産運用をはじめて、30年、40年と経った後の世界ではたして株を売却する先があるのか?ということですね
シーゲル氏はこの問題は「途上国が解決してくれる」と言っています。
情報・通信革命を追い風に中国・インドなどの途上国急速な経済成長が始まる準備が整っています。
このままいけば21世紀の半ばに訪れる先進国の高齢化に伴う需要を途上国が満たす構図ができあがるでしょう。
高齢化が深刻度を増す先進国の当面の課題は2つです。
- 誰が生産するのか?
- 資産を売るときに誰が買うのか?
シーゲル氏は答えます。
モノを生産するのは途上国の生産者であり、資産を買うのは途上国の資産家である。
今の先進国の富は先進国に富みを残しつつ、途上国に移っていく世界になるということです。
「高齢化を気にせずに株を始めなよ!」と言っています。
シーゲル氏はこれを「グローバルソリューション(世界的解決)」と呼んでいます。
※ここら辺のお話はP233~を参照
③30年間資産運用する気があるなら100%株式運用でOKじゃね?
シーゲル氏は過去200年を徹底調査して、株式・長期米国債・短期米国債・金・ドルを対象にインフレ調整後のトータルリターン(キャピタルゲイン、配当、利息を含む)の推移を累積ベースでまとめた。
結果、株式の実質リターンは6.5~7%で安定することがわかった。
はっきりとした理由はわからないが、とにかく7%弱で安定するというのは事実だ。
安定資産として人気が高い債券のリターンは年率3.5%となり株式の半分ほどだ
リスクの面でも言及されている
保有期間が短い時は株式は明らかに債券よりリスクを伴うが、15年以上保有すれば株式のリスクは債券を下回るようになり、さらに30年を超えると株式のリスクは債券の4分の3以下に低下する。
この結果をもたらすのはインフレ率の影響の差である。
債券が支払いを約束するのは一定の金額であってそこにインフレ率は加味されない
一方株式は実質的な資産の所有権である、不動産・機械・工場・発明などの資産の価値はインフレ率と連動して上昇するのでインフレの影響を吸収できるのである。
ここでシーゲル氏が言いたいのは
「30年間資産運用する気があるなら100%株式運用でOKじゃね?」ってことですね
※ここら辺のお話はP195~を参照
④金をみせてくれ!配当はリターンを押し上げ、下落相場で投資家を守る
いよいよシーゲル氏の醍醐味である配当金についての話になってきます。
前述した通り、増益率だけに目を向けると高値の株を掴むことになります。
株式が卓越したリターンを生むうえでは配当が欠かせません。
配当は信頼の印です。
配当が支払われていれば、決算に間違いがないことが投資家にもクリアになります。
配当も払われないのに企業が黒字だと言っても本当にそうでしょうか?
株主の「金を見せてくれ!」に応えてきた高配当企業が最高のリターンをたたき出してきたのです。
配当はリターンを押し上げるだけでなく、下落相場で投資家を保護する役目を果たします。
下落相場では配当が減少する以上に株価が大幅に下落します。すると配当利回りが上昇するので、リターンがいずれ上昇することになるのです。
キャピタルゲインを重視する戦略ではこのリターンが得られないと言っているわけです。
「配当は投資家の圧倒的保護者!」というわけですね
※ここら辺のお話はP157~を参照
⑤オススメ投資セクターはヘルスケア、生活必需品、エネルギー!
このあたりまで話を聞いていると、では具体的にどの株に投資すればいいのかがきになってきますよね
シーゲル氏が研究から導き出した勝ち組セクターはズバリ
- ヘルスケア
- 生活必需品
- エネルギー
です。
一般的にはハイテクとか金融の方が人気があり、実際増益率では高いわけです。
しかし、今まで述べてきた通り、そのような成長の罠にはまらないようにしましょう。
じつは地道にコツコツと良い商品を提供して、配当もしっかり出してきたセクターがリターンが大きいわけです。
例を挙げるなら、ジョンソンエンドジョンソン、P&G、エクソンモービルあたりでしょう。
※ここら辺のお話はP157~を参照
⑥最適ポートフォリオはインデクス:リターン補完戦略=50:50だ!
最後にシーゲル氏がオススメするポートフォリオを紹介して締めましょう。
万人にオススメできる最適なポートフォリオは存在しないと前置きしながら、それでもちゃんとオススメを紹介してくれているのが好感がもてますね
もちろん株式100%のポートフォリオです!
ワールドインデックスファンド50%
①米国インデックス 30%
②非米国インデックス 20%
リターン保管戦略50%(各10-15%)
①高配当 配当利回り上位20%、ダウ10、SP10、ダウコア10、SPコア10、REIT
②グローバル SPグローバル100、ダウ・グローバル・タイタンズ、多国籍企業
③セクター ヘルスケア、生活必需品、エネルギー
④バリュー 低PER、SP500生き残り上位、バークシャー・ハサウェイ
円グラフで表すと下図の感じになります
まずはザックリポートフォリオを示すとワールドインデックスファンド:リターン保管戦略=50:50です。
さらに詳細に示すとこうなります⇩
まずは半分はインデックスファンドを保有しましょうと言っています。
この時の米国:非米国の比率は30:20にしましょう。
以下はゴマ夫の解釈になります。
シーゲル氏のポートフォリオを真似しようとしたときにETFを使えば比較的楽に実現できます。
まずはワールドインデックス50%の部分からです。
ロボアドバイザーのウェルスナビの銘柄を参考にするとVTI:VEA:VWO=30:10:10で保有すれば実現できます。
比率は異なりますが、VT一つにまとめてしまうのも何も考えなくて済むので楽だと思います。
そして残りの50%はリターン保管戦略で補いましょうと言っています。
シーゲル氏が散々説明たかったのはこの部分が大きいです。
4種類に分割して各10~15%の割合で持ちなさいと言っています。
こちらは個別株で組むのことができますが、投資余力が1000万以下でうまく分散できないと言った場合にはやはりETFを組み合させるのが良いと思います。
①VYM
②IOO
③VHT、VDC、VDE
④バークシャー・ハサウェイ
ゴマ夫的シーゲルポートフォリオの再現はこのようになりました。
もちろんこのポートフォリオはシーゲル氏の意見に近づけたポートフォリオで完全に再現できているわけではありません。
極力手間のかからないETFを駆使すればこうなるよ!という一例です。
参考にして自分に適したポートフォリオを考えてみてください!
最後にシーゲル氏が「株式投資の未来」の中で言いたかったことまとめです。
いかがでしたでしょうか?
シーゲル氏は膨大なデータをまとめることで一つの根拠ある方針を示しています。
そのため多くの投資家を納得させるだけの手法です。
ETFを購入するにはSBI証券で購入すると総合的な手数料を抑えられるのでオススメです。
それでは!