ストレスは放置していると心や体に不調をもたらすと言われていますが、そもそもストレスとは何か?をしっかりと説明できますか?
今回は実は曖昧に使われている「ストレス」という言葉を大きく3段階に分けて解説します。
うつ病などの心の病の発症に深く関わるので、このストレスから来る体の症状に潜むサインを見逃さないようにしましょう。
この記事のポイント
この記事を書いているゴマ夫は職場でストレスを抱えてうつ病で休職しました。1年間の休職期間中にこのブログで休職情報などを発信し始め、現在は復職しながらも活動を続けています。
動画でもわかりやすく解説しています⇩
目次
【ストレスの3段階】ストレスは段階的に心と体を蝕む
うつ病発症の大きな原因は日頃のストレスの蓄積です。
ストレスを受けると3段階の経過をたどることになります。
ストレスの3段階
- 警告反応期
- 抵抗期
- 疲弊期
警告反応期
大きな反応が出ない初期の段階がこの警告反応期です。
- 疲れが溜まってるのかな?
- 最近寝起きにすっきりしないな?
- まあほっときゃ治るかな
このように軽い症状を感じているか、またはほとんど感じていない状態です。
ストレスに対する反応が現れているが、そこから回復もしている状態です。
抵抗期
疲れに耐えようとする時期が抵抗期です。
体がダルい状態に慣れてしまおうとする時期です。
実はこれはとても怖い状態です。
体がストレスに慣れていくので本人の感覚的にはストレスが減っているように感じますが、ストレスの原因が相変わらず存在したままでは心と体はストレスに抵抗しつづけますので、気づかないうちにエネルギーを消耗している状態になってしまいます。
周囲の人から見てもストレスがかかっているとはわからないでしょう。
疲弊期
ストレスへの抵抗の限界を突破してしまい、疲れ切ってしまう時期です。
心身共にエネルギーが不足して、心の病気を発症するリスクが非常に高まります。
この時期になってようやく本人や周囲の人間が異変があると気づく段階になります。
具体的には
- ベッドから起き上がれなくなるくらい疲労感がある
- 全く仕事に集中できない
- 夜に眠れない
- 頭痛がとれない
などの症状です。
このようにストレスは症状や気づきやすさの違いによって3段階に分けることができます。
もちろん初期の警告反応期に対処できればよいのですが、それはなかなか難しいものです。
そして一概に「ストレス」が全く無いことがいい事とも言えないので
次はこのあたりの話をしましょう。
実はストレスは必要なもの
そもそもストレスとは、暑さ・寒さ、病気、緊張などの外部からの刺激によって体に生じる変化に対する防御反応の事を指します。
例えば急に寒くなると血管を収縮させて熱が逃げないように対処します。これがストレス反応です。
人が生きていく上でこのような適度なストレスは生活の活力になります。
それでも多すぎてしまうと心身に負担となってしまいます。
心身が負荷に耐えられなくなってしまうとうつ病などのリスクが高まります。
特に職場は過重労働、異動、責任、人間関係、業務トラブルなどのストレスの温床です。
- 仕事量が増える
- 責任が重くなる
- 地位や役割の変化
- 人間関係の変化
- 仕事内容の適正
疲れや不眠、体の症状に潜むサインを見逃すな
ストレスが溜まり、うつ病へと向かっていても本人がその症状に気づくのは事前に知識が無いと難しいです。
気づくためにはやはり体の症状をしっかりと認識する必要があります。
ストレスが過剰になるとほぼ確実に体に症状が現れます。
横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター調べの身体症状相談の上位はこのようになります。
最も多い身体症状は「睡眠障害」です。
- 夜によく眠れない日が続く
- 昼間に眠くなって仕事に集中できない
- 頭痛や倦怠感は風邪などのウィルス性の病気と混同しがちなので、息苦しい・胸痛・疲れやすい
などの他の症状がでていないかを確認しましょう。
身体的な症状があった場合は病院へ行きましょう。
内科か心療内科を受診しましょう。
嫌でも辛くもないのになぜか「うつ病」と診断される例
ストレスは嫌な思いをしたり、辛いということばかりではありません。
例えば「昇進した」などの本人にとっては喜ばしい変化でもストレスに含まれます。
昇進すると新しい環境、立場になります。管理する部下も増えますし、仕事の責任も大きくなります。
責任感の強い人ほど肩書の重さを強く意識して今いますので「頑張ろう」と自分で自分にプレッシャーをかけてしまいます。
自分では張り切って仕事をしていると思い込んでいるために心の問題には気づきにくく、身体症状から移譲を感じることが良くあります。
また、このような責任あるポジションになる時期には家庭でも子育てにお金がかかるなどのプレッシャーを知らず知らずのうち浴びていることが多く常にストレスから抜け出せないこともあります。
ここで40代会社員Aさんの例を見てみましょう。
Aさんは責任感が強く、熱意をもって仕事を遂行する姿を認められて部長に昇進する運びとなりました。
同僚や家族に祝福され本人のやる気も漲りました。
部署は変わりましたが、今までの仕事と関連性は高いし、通勤場所も変わりません。
新しい部下も女性社員が多いのが大変そうでしたが、以前からの顔なじみも多いので特に不安は大きくありませんでした。
ところがしばらくして、不眠に悩まされるようになりました。
寝つきが悪く、夜中に何度も目が覚めてしまいます。
昼間は眠気に襲われてうたた寝をして部下に指摘されることもありましtあ。
このままでは大きなミスをしてしまうと不安になったAさんは何かの病気ではないか?と内科を受診しました。
すると身体的な異常は特になく、「うつ病」の疑いがあるといわれたのです。
内科医の紹介で精神科を受診したところやはり「うつ病」と診断され、しばらく休職することになりました。
Aさんは自分が「うつ病」だなどどいう自覚症状は全くありませんでした。
正直診断された今でも自分がうつ病だなんて思っていないそうです。
このような例がまさに典型的なストレスに対する自覚症状が無かった人です。
Aさんは「大きなミスになる前に」という意識を持っていたので早めに医療機関に行くことができましたが、自覚症状がない方が病院へ向かう気になることはほとんどありません。
発症や再発の予防のためには、管理職特有の悩みを聞いてくれる人を見つけたり、重すぎる責任を分担してもらうなどのサポートが絶対に必要です。
はっきり言って、うつ病は一人の力で解決できる問題ではありません。
今回お話した3段階のストレスの知識を頭に入れておき、自分や周囲の人の体の症状を注意深く観察するしかありません。
特に環境が変化した時にはストレスの有無をチェックするようにしましょう。
それでは
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